実践編としてセールスに必要な3つのスキル、ピッチ、即興、奉仕を解説します。。
・ピッチ(説明する)
ピッチの目的は相手を説き伏せることでも、自分の考えを採用してもらうことでなく、相手を参加者として巻き込み双方の興味に訴えることです。
そのための表現方法として6つの方法がある。特に一言ピッチ(シンプルに一言に込める)、質問型ピッチ、ツイッターピッチ、メールの件名(有用性、好奇心、具体性が読まれるポイント)は自分の考えをシンプルに要約し、効果的に伝えることに役立ちます。
自分の伝えたいことを、一言、140字などでシンプルに表す訓練が必要になる。自分のピッチを聞いた人に、”知って”もらいたいこと、“感じて”もらいたいこと、”行動して”もらいたいことを念頭においてピッチを考えないといけない。なるほど目的を意識して説明せよということです。
・即興
コーチングの原則の”耳を傾けること”が最も重要になってくる。
3つのルール、①オファーを聞く、②「はい、それで」という、③パートナーを引き立てる、があげられています。
オファーを聞くことは、視点取得し同調し、相手の話を聞く。自分が話す場合は5秒ほどまってから話し出すなど、具体的なテクニックが紹介されている。
「はい、それで」はポジティブシンキングであり、パートナーを引き立てるはwin-winの関係構築です。予め自分が相手より低い立場にいると想定して接することで実現します。
・奉仕
“奉仕”というとちょっと表現的にわかりにくいのですが、”セールスの最終的な目的はサービスの提供”であると定義していることから、サービス≠奉仕とみてよいだろう。その際には、”目的を持たせる”、”人間味を持たせる”、の2つの観点が大切です。
”人間味を持たせる”ことは、人間を抽象化しないで、サービスを受ける人を具体的に認識できるようにすること、販売する商品の背後に自分たちがいることを捉えるということです。具体的には、病院で取り扱う患者の普通のカルテだと患者を記号化してしまい自分が奉仕している顧客が見えなくなってしまいます。カルテに患者の写真を貼ることで、自分が相手している患者を一人の具体的な人間と意識できるようになった事例もあるそうです。野菜販売での生産者の顔写真や、料理店のコック長の写真、などもこういった例だろう。
本書の全体的な感想として、競争でなく同調であることがうかがえます。
これまでイメージしてきた”お仕着せ”のセールスでなく、すごく人間的で生産的なものにセールスを感じます。モノを売るだけでなく、人に動いてもらう、共感してもらうためのスキルやテクニックが満載でした。特に”視点取得”、”疑問文形式のセルフトーク”、”出口ランプ”は真っ先に身につけたいスキルです。
最後に、本書の内容をマインドマップで表したものを掲載しておきます。
本書のキーワードがたくさん出てくるので、気になる言葉があったら是非本書の購読をお勧めします。