井上先生から勧められて購入した本です。
ずいぶん古い本ですが、その内容は抜群でした。難しくいうと、リーダーシップ理論とサービス理論になりますが、平易な語り口で実例も多く読みやすくなっています。
最高のサービスは、リーダーによって決まるという内容で、リーダーの役割が重要と説いており、やはり企業はその頭であるリーダーによるのか、と普通の会社に勤める自分にはがっかりの内容か・・・と思いきや、
スーパーマンみたいなリーダーで、リーダーが万能でサービスを行うというものではなく、リーダーは顧客と直接接している現場の従業員がいかに働きやすい環境にするかを支援する執事であると述べられています。
内容を大別すると、①伝説のサービスとは何か、②リーダーシップ理論、③そのための取組、の3つに大別できます。
今後、自分がチームを率いて仕事をする際も、どのようなリーダー像を目指すのか、とても勉強になった本でした。
■サービスとは
顧客は財布のお金で企業に投票しており、企業はそのお金を大事な預金のように蓄えます。
そして、持出しを抑えつつ、きちんと貯め、ときには顧客の予期せぬサービスという配当を払う。
決して赤字覚悟でサービスを提供するのでないということです。
顧客が受け取るサービスは、それを提供する企業内で行われている社内サービスの表れであると考えられます。企業内の活動、従業員との関係がまさにサービスを決めます。それはリーダーの両肩にかかっており、そのことがリーダーの役目を定義します。
■リーダーに求められるもの
リーダーの役割を、”顧客に奉仕する人に奉仕すること”としています。従業員が成功を収められる環境を整えること、誰かに何かを頼む前に、彼らがその何かをできる人になれるよう、支援することなどがリーダーの仕事です。
そのために、次にあげるエンパワーメントへの取組が大切になってきます。
■エンパワーメントへの取組み
リーダーの役割は、”顧客に奉仕する人に奉仕する”ことです。
このことは、従業員のじゃまにならないようにし、従業員が自由に仕事ができるようにしているかという、リーダーの器量によって決まります。
このことに関し次ぎのことわざが引用されています。
”人が求めるのは「根(確固たる基盤)」と「翼(行動の自由)」である”
「根」とは、企業の掲げるビジョン、雇用の保証、トレーニング、期待、評価、報酬であり、企業の従業員に対するサービスであり、リーダーが実践するものです。
その上で、「翼」とは、従業員の顧客に対するサービスのために、従業員が自らの判断で自由に意思決定でき、企業のあらゆる資源を利用できるようにすることです。
別の言い方をすると、(リーダー、企業が提供する)核となるものは強力で、揺るぎないものなのですが、その分細かいことについては、個人の判断にゆだねられていること、”多様性のある一貫性”といえます。