前回来年度の補助金のお知らせをしましたが、その中で(使い勝手向上のポイント)としてこんなことが書かれてあります。
補助金申請システム・Jグランツによる電子申請受付を開始します。
このJグランツとはなんでしょう?
Jグランツとは
Jグランツとは行政手続簡素化のためのシステムで、経産省の補助金申請、厚生省の社会保険制度、日本年金機構などで共通で利用できるものです。これまではマイナンバーカードなどで電子証明書が必要であったものを後述するGビズIDというアカウントを登録することで利用できます。
中小企業に関係するところは、来年度の3補助金(ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金)で利用を開始するとなっています。
このJグランツを利用するためにはGビズIDの登録が必要です。
補助金申請システムの開発状況・自治体への展開に向けた取組についてhttps://www.chusho.meti.go.jp/keiei/koyou/2019/190822jinzai04.pdf
GビズIDとは
補助金申請システムでもあるJグランツを利用するにはGビズID【gBizプライム】の登録が必要となります。現在も受付中で発行まで2~3週間かかるそうなので早めにID登録申請をしておくべきでしょう。
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GビズIDへようこそ
GビズIDは、1つのID・パスワードで様々な法人向け行政サービスにログインできるサービスです。順次、利用できる行政サービスを拡大していきます。
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実際の僕も自社分を申請してみました。そこで気がついた注意点をご紹介します。
①申請書類の作成はWebからできるが実際に申請するには郵送となる
GビズIDのホームからgBizIDの登録メニューがありますが、ここでできるのは申請書の作成のみとなります。PDFで申請書ができるので、これに印鑑証明書(3ヶ月以内のもの、しかも原本!)を沿えて事務局まで郵送しないとなりません。法務局や役所で印鑑証明書を取得しておきましょう。
②IDは電子メールアドレス、同じ電子メールアドレスで複数の企業は登録できない
これは大きな落とし穴です。代表者が同じで複数企業を持っている場合や個人事業主と会社を持っている場合など、連絡先は1つでいい場合があります。しかし、gBizIDでは1つのID(=メールアドレス)は1つの企業となっているため、登録する企業分のメールアドレスが必要になります。
僕も最初は同じメールアドレスで個人事業主と一般社団法人の2つの申請書を作成しました。その後「GビズIDでは、eメールアドレスをアカウントIDとして利用」と書かれてあったので気になって事務局に問い合わせたところ「登録企業が別ならメアドは別のモノにしてください。申請時にはメアドの重複チェックは行っていない」と回答を受けました。みなさんここは要注意ですよ!
③gBizプライムとgBizエントリーの違い
ややこしいことにGビズIDには「gBizプライム」と「gBizエントリー」の2つがあります。補助金の電子申請を行うには「gBizプライム」が必要で、それ以外の参照系だけでよければ「gBizエントリー」となっています。「gBizエントリー」は印鑑証明書なしで登録できます。
しかしここでも電子メールアドレスをアカウントIDとして使うため、「gBizプライム」と「gBizエントリー」で同じ電子メールアドレスが使えるかどうかは怪しいところです。「gBizプライム」を登録したのであれば、同じ電子メールアドレスで「gBizエントリー」は登録しない方が無難かもしれません。
電⼦申請にあたってはGビズID【gBizプライム】の取得が必要です︕
https://www.cgc-aichi.or.jp/media/001/201912/denshi_hojokin.pdf
電子メールアドレスをアカウントIDとして利用しそれが1:1で企業に紐付く仕組みはいかがなモノかと思います。申請者と企業との名寄せを行えば1つのメアドで済むのですが、そうはなっていません。きっと現在申請されている方の中でも同じメアドを使って申請しているためやり直しがたくさん発生しているのではないかと想像できます。
とはいえ、来年の補助金申請を考えられている企業は「gBizプライム」の申請を早めに行っておいた方がいいでしょう。
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令和元年度補正予算案~もの補・持続化も継続~
12月13日、令和元年度補正予算案が閣議決定されたのを受け、経済産業省関連の予算案概要が公表されました。
来年度も中小企業支援策として、「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」の3大補助金は継続される見込です。
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