「稼ぐまちが地方を変える」、このタイトルに惹かれて思わず手にしました。
以前より市民活動はボランティアベースで始まっても、ボランティアのままでは継続性が難しいと考えていた僕にとって、ではどうやって稼ぐか?その場合一般企業と社会企業との違いはあるのか?など疑問がありました。
作者の木下さんが提唱しているのは、「地元の不動産オーナーが核となる」まちづくりです。地元の不動産オーナーは自分の持つ不動産の資産価値を上げるために、まちを魅力的なものにしていくメリットがあると。
「住みやすいまちづくり」とか「豊かな田園都市」などといった結果があやふやなものだと、結局誰も責任とらないし、評価もできない。きちんと誰にメリットがあるまちづくりなのかを明確にしようと言っています。
この考え方はすごく衝撃的でした。「いいことしよう」というまちづくりではなく、しっかりビジネスなんですね。
まちづくりを行う上での10の覚悟が書かれています。その中でも次の3つは響きました。
・活動でななく、事業として行うこと
・「楽しさ」と利益に両立
・自ら労働力か資金を出す
僕たちがこれから始める「信州アルプス大学」は、もてるまちづくり+稼ぐまちづくり、をテーマにしています。
もてること=感謝されること、頼りにされることは、すなわち、楽しいことです。
きれい事でもない、だからといって独りよがりではない、事業としてのまちづくり。
そのコンセプトの1つ、「稼ぐ」をこの本から学ぶことができます。