「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」
テレビ番組を見て購入するなんて、ほんとミーハーかもって思っていまいます。
番組の内容は、主人公の学年ビリのギャルさやかちゃん(本物)へのインタビューでした。
どんなギャルが出てくんだって思ってたら普通のOLさん。
本の話は実は8年前のお話しで、今ではさやかちゃんはウエディングプランナーとして働かれています。
なかなか面白そうと本屋に行ってみるとベストセラー20万部突破!ってあります。テレビでも取り上げる訳です。
「元ヤンキーが〜〜」とか「渋谷のギャルが〜〜」って落差あるタイトルの本はたくさんありますが、挑戦的な目つきの女子高生の表紙が印象的でためらい無く買っちゃいました。
物語の舞台は名古屋。中高一貫で大学も関連校への推薦でいけるという学校に通ってたさやかちゃんは、遊びまくって偏差値30、学年ビリで大学推薦はもらえない状態。そこで母親に連れられて塾の門をたたくところから物語は始まります。
本当にぱっぱらぱぁのさやかちゃんは学校の先生からは相手にされてません。怒られてばかり。
そんな中でお母さんだけは絶対的にさやかちゃんの味方、決して怒りません。
本の後半のエピソードで、12月頃試験日が近づくと担任の先生に「学校で寝かせてやってくれ」と頼んだりもします。
「学校の先生はさやかが慶応を受験することを笑って応援もしてくれません。でも塾の先生は真剣に合格するといって取り組んでいます。今のさやかにとって大切なのは塾の勉強なのです」。世間体や一般常識に囚われず何が一番自分の子供に大切なのかを貫き通しています。
この本の語り手である著者の坪田先生は、子供を素直に受け入れる人です。
否定せず、まずほめて、その子の良いところを引き出していく。心理学的手法を取り入れているのもとても興味深いところです。
勉強法も変わっています。
歴史が全然だめなさやかちゃんに学研マンガ日本の歴史を読めとか、英語は中学校のものからやり直すとか、問題集は薄いモノとか、奇抜にみえますが読み進めていくとなるほど的を得ています。
学校でも会社でも、生徒や部下と接するのは苦労します。
自分の思い通りには動いてはくれません。
それを先生>生徒、上司>部下の構図で接しても、その時はいいかもしれませんが、長期的にはわだかまりが残ります。特に会社などは、仕事だから、ビジネスだから、大人だから、と割切ってやる事って多いですよね。
この本も奇をてらった話題先行の本かと思いきや、心理学や人との接し方、モチベーションの上げ方などビジネス面で参考にできることがいっぱいです。
最後に後書きで、ギャル時代に頑張ることはかっこわるいって思ってたさやかちゃんがこう言ってます。
”「頑張る」って意外にいいもんでした。”と。
人間、人生の中でそうそう死ぬほど頑張らなければならない場面は多くはないと思います。
でも、頑張って何かを成し遂げたら、すごい自信になりますよね。
僕自身の体験では、1つは自動二輪の大型限定解除免許(750に乗れる免許)試験、もう1つは中小企業診断士試験があります。どちらも自尊心がぼろぼろになったり、長期戦でのモチベーション維持などで苦労しました。これらの話はまたおいおいしますが、合格後はすごい自信になりました。
一人で「頑張る」ことはつらいですし、続かないかもしれません。
そんなときに、そばで一緒に伴走してくれる人、応援してくれる人、頑張ってくれる人、そういう仲間がいるかってことも大切だよなって思います。
何でもいいんです。
あなたもこれまで「頑張る」ことをやってきたと思います。
その時の気持ち、想いを思い出してみませんか。
僕はこの本を読んで、僕の頑張ったことを思い出し、気持ちを新たにしました。いい本でした。
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