京都府主催の「知恵の経営」セミナーに参加

京都府が開催する「知恵の経営」支援者向け実践講座に参加してきました。

みなさんは、「知恵の経営」ってご存知でしょうか?経済産業省が「知的資産経営」と呼んでいるもので、それを京都府では「知恵の経営」と言い換えています。企業を評価する際に財務諸表を用いいますが、お金を表す財務諸表は結果であって、どうやってその結果が出たのか、今後どの企業がどう発展していくのかは財務諸表ではわかりません。そこで登場するのが、見えざる資産である、知的資産になります。

もっとわかりやすく言えば、友達になる際に、その人の財産を見て友達にはなりませんよね?その人の人柄や性格、これまでどう生きてきたかなどを考慮すると思います。それと同じで、どんな企業か判断する際に、お金だけの財務諸表じゃ足りません。

では、そういった見えない資産をどう可視化し評価するのか?、それが今回の講座の目的です。

京都リサーチパーク

講座は京都駅から一駅行った丹波口駅にある京都リサーチパークで行われました。

セミナー会場

参加者は30名近く、商工会の経営指導員や中小企業診断士です。4つの班に分かれてセミナー開始です。
事例企業は、京丹後市にある(有)丹後ジャージー牧場さん。
事例企業の丹後ジャージー牧場さんの知恵の経営報告書を作られた京丹後市の経営指導員の方と同じ班だったので資料に載っていない話をお聞きできたのですごくリアルに感じることができました。

はじめに今回のコーディネーターである、龍谷大学の中森教授の方から研修の概要説明があり、続いて丹後ジャージー牧場の平林社長からお話を伺いました。

平林社長からは知恵の経営報告書を作るに至った経緯、作ったことの効果などが語られました。
牧場経営に対する実直さ、素直さ、牛に関する感謝の気持ちなど、本当に牧場を大切にしている姿勢が伝わってきます。
報告書を作った効果として、これまで立ててなかった中期計画を策定したり、顧客の声を反映した施設や商品開発に生かされています。なにより、経営者と従業員で思いを共有できたことが、実際に数字として表れているとも話されました。
(京丹後市の経営指導員の方からは、これ以外の本当の効果をお聴きしたのですがブログには記せないのが残念です)

平林社長からのお話の後は、中森教授から知恵の報告書を作成する意味、何のために作るのかがわかりやすく納得感を持って説明されました。
財務諸表は過去の結果であって、2〜3年先まではわかるかもしれないが長いスパンで企業を評価することには使えない。結果は現在の状況でわかる。原因=強みもSWOT分析などからわかるが、なぜ、その原因が結果につながったのかという媒介するものまで調べないとその企業の真の強さの源泉はわからない。そのためには、時間軸を持ち込んだストーリーで語ることが大切だと強調されていました。
そして、原因と原因を結果につなげる媒介する企業活動こそが、継承されていくものであると、締めくくられました。

これらの話をもとに各班にわかれてグループワークを行い、丹後ジャージー牧場さんの原因〜媒介〜結果、をまとめていきました。
丹後ジャージー牧場さんの強みは、経営者の牧場に対する想いが1番なのですが、より具体化すると飼育〜製造〜販売に至る一気通貫の体制としました。その結果、来場者数の増加、売上の増加から独自ブランドの育成につながっていると解釈しました。
では、なぜ、そんなことができているのか?毎日の朝礼、全国を飛び回って先達から教えを請う姿勢など、全員参加の経営をなされていることだと分析しました。
このワークはとてもエキサイティングなものでした。

原因〜媒介〜結果の分析

中小企業診断士として企業を支援していく際に、財務的な分析・支援はもちろんです。
今回セミナーに参加させていただいて、自分が長く携わってきた専門分野であるナレッジ・マネジメントが知的資産経営報告書という形で生かせる具体策が明確になったことは収穫でした。

今後、地元企業支援の協力な武器を手に入れました。ご期待ください!

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