ジョウモウ大学訪問(1)

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「ここ信州にソーシャル系市民大学をつくろう!」プロジェクトの視察第2弾として、お隣り群馬県のジョウモウ大学さんに訪問させていただきました。
場所は高崎駅から2km弱ほどの下町にあるMOTOKONYA(モトコンヤ)、空き家をリフォームしたジョウモウ大学の事務所みたいなところです。応対していただいたのは学長の橋爪さんと事務局の武井さん。畳にこたつって感じのくつろいだ雰囲気の中でお話をおききしました。

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ジョウモウ大学は開校して5年、現在1300人の生徒登録数で今年は66講座に800名の参加者をほこります。
橋爪さんたちも立ち上げ当時はシブヤ大学の開校プログラムに参加し姉妹校プロジェクトとして動いていましたが、目指す方向性が「地元コミュニティの再生」ということでシブヤ大学の「生涯学習、社会事業」とは少し違ったため姉妹校にはならず独自で進む道を選ばれました。しかし基本理念はシブヤ大学にものそのもので同じ市民大学ではあります。

「僕たちの世代は街に育てられた。でも今街中の繋がりが少なく、コミュニティが無くなってきている。
家庭と仕事場、学校以外の第3の自分を発揮できる場所を作りたい。ではそうやったら人が集まるのか?
興味があるものだったら集まるんじゃないか?そして思いやりが循環する社会を作りたい。」

「最初は、地元に興味を持っている人物をtwitterで探しました。100人くらい見つけて、それから一人づつ会いにいく旅にでて、こんな大学を作りたいって話してまわりました。」

と、橋爪さんは立ち上げ当時の様子を話されます。

「これだけ守ればまずは失敗しないってことがあるんですよ。」

学校運営や授業の進め方について尋ねるとこう返ってきました。

「見せ方+開き方+伝え方。この3つさえ押さえていればまずは大丈夫です。」

「見せ方とは、Webサイトやフライヤーなど、どこの層を狙って作るかです。
ジョウモウ大学のパンフレットとかは、シブヤ大学などと比べるといもっぽいです。でもそこまでださくはない。
エッジを効かせると意識の高い若い層には届きますが、私たちが狙っている幅広い年齢層とは離れてしまいます。このジョウモウ大学の校章もそうですが、ジョウモウ大学らしさをだそうとデザインには手を抜いていません。
デザインの力はとても大切です。」

「開き方とは運営者、参加者の自主性を重んじることです。
ジョウモウ大学の授業は特別な宣伝をしていません。Webとフライヤーだけです。このフライヤーをお店に置いてもらって、それを見つけた人が自分から学生登録して参加する。そうしないと連れられてきた人は興味のある授業だけには出るかもしれませんが、いづれ参加しなくなります。
今は、下は小学5年生から上は80のご老人まで自主的に生徒登録しています。」

「次に伝え方ですが、ここ群馬にも感度の高い人たちはたくさんいます。そしていろんな講座やイベントを行っています。しかし彼らとジョウモウ大学が大きく違うのは”名簿”を持っているかどうかです。
どうして他のところは名簿を作らない、名簿の重要性に気づかないのか不思議ですが、名簿が無いから毎回、何人集まるのだろう?とか○○人集まったぁ!とか一喜一憂してイベント的になっています。
うちは1000人以上の学生の名簿を持っていますから、永続的な活動として続けられるのです。」

次回は大学の組織運営についてお伝えします。

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