今年のものづくり補助金には注意②

「令和元年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業」を事務局公募要領から読み解く2回目です。

加点要素

例年通り加点ポイントがあります。申請するほぼ全ての事業者が加点項目は満たしてくるので必須といえます。例年同様に経営革新計画、BCP(事業継続力強化計画)はありますね。

注意が必要なのは賃上げ加点です。これまでは成果を求められることはなかったのですが、今回から成果がでないと補助金を返還しないといけなくなる可能性があります。安易に賃上げ加点という訳にはいきません。働き方改革や同一労働同一賃金などの実施により、この加点項目は重要視されると思われます。

・成長性加点:有効な期間の経営革新計画の承認(申請中を含む)
・政策加点:小規模事業者、又は、創業・第二創業後間もない企業(5年以内)
・災害加点:昨年の激甚災害指定地域の被災事業者
      または
      有効な期間の事業継続力強化計画の認定(申請中を含む)を取得
賃上げ加点等給与支給総額を年率平均2%又は3%以上増加させる計画を有し、従業員に表明している企業
      または
      事業場内最低賃金を地域別最低賃金+60円又は+90円以上の水準にする計画を有し、従業員に表明している企業
      または
      被用者保険(健康保険)の適用拡大の対象となる事業者が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合

 

減点要件

これまでも過去に採択された企業は厳しい審査の目があったはずですが、今回から明確に減点されることになります。

過去3年間に、類似の補助金の補助金の交付を受けた事業者は、審査上の減点措置を講じる

 

補助金の返還手続き

今回から、賃金引き上げの状況等を確認することが求められ、未達等の場合には補助金の返還が必要となる場合があります。

・申請時点で、賃金引上げ計画を従業員に表明することが必要。交付後に表明していないことが発覚した場合
・事業計画終了時点において、給与支給総額の年率平均1.5%以上増加目標が達成できていない場合
・事業場内最低賃金の増加目標が達成できていない場合

補助事業の付加価値額増加率が年率平均1.5%に達しない場合や、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合は返還は求められませんが、これまでと違って本当に実績が求められるようになりました。

 

このように今回からの補助金はこれまでとかなり変更になっています。補助金もらって機械入れたら終わり!ではなく、きちんと実績を証明する形となりました。これ自体は本筋でいいことですが、申請する事業者にとっては、これまで以上に綿密な事業計画が必要となります。

今年のものづくり補助金には注意①

今年のものづくり補助金(令和元年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業)はこれまでと違ってかなり厳しいものとなっているので注意が必要です。

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