目線は常に上のステージへ

えんぱーくらぶ主催の講演会「松本山雅F.C.を支える熱きボランティア」

熱きボランティア松本山雅F.C.は地元のサッカーチームでJ2に所属しています。
ここ数年でJFLから昇格し、サポーターの熱い応援は全国的にも有名です。
今回講演をお願いしたのは、松本山雅の試合会場でのボランティアをやられているTeamVAMOSから専務理事の風間さん、代表の豊岡さんからお話をうかがいました。

まず最初に、サポーターとボランティアは別物だということは知りませんでした。
試合を応援したいという人たちはサポーター組織に所属し、試合運営のお手伝いはボランティア組織TeamVAMOSに所属します。それぞれ役割を持って連携してやられてるそうです。

300人を越すボランティア組織に育てるには何大抵ではありません。
TeamVAMOS結成から3年目の2007年が転機だったそうです。平均試合入場者数が3000人を越えたあたりからこのままでは対応できないと感じ、組織化・業務の明確化に取り組まれました。

「クラブのためなら何でもやる」が当初のTeamVAMOSでした。
駐車場整備、アナウンス、場内警備・・・なんでもやっていたそうです。しかしこれでは窮屈でパンクしてしまいます。入場者数も増えチーム側も試合運営方式を見直し、TeamVAMOSも「お客様のためになることのみ」に業務を絞り、たとえJFLに上がっても対応できる体制づくりを目指しました。今では、駐車場整備、アナウンス、場内警備はそれぞれプロにお願いし、TeamVAMOSは入場管理、スタジアム案内などに特化した業務を行っています。

運営面での工夫がたくさんありますが、
ボランティアマネジメントで心がけたことをまとめると次の3つに集約されるそうです。

・モチベーション
・運営組織
・イーダー育成

ボランティアの拘束時間は試合前から終了まで長時間に及びます。その参加形態を、フルタイム、試合開始前まで、試合後のゴミ回収と3形態に分けて行っています。

ハブ&スポーク型の平面組織

大人数のボランティアを組織化するために、TeamVAMOSの運営に関わるスタッフVAMOS-Supportを結成し運営委員会を開き、彼らが運営のハブとなって各業務のリーダーと結ぶ形態になっています。ピラミッド状の組織形態で無く、ハブ&スポークの平面構造だと話されていました。
ハブであるVAMOS-Supportが、各リーダーとつながり、各リーダーが責任持って業務を行えるような橋渡しを行っています。
運営委員会もオープン化されており誰でも参加可能です。このことで次世代リーダー育成も狙っています。

「マンネリ」が一番いけないとも強調されていました。
マンネリ化してしまうと業務にも組織にも悪影響をあたえてしまいます。マンネリ化させないために適度な刺激をボランティアスタッフに与えることを行われており、いち早く普通救命研修を取り入れボランティアのスキルアップを計ったり、一人一人が自主的に判断できるようなトレーニングを開催されています。

もちろんボランティアスタッフ同士の交流会の実施で親睦も深められており、これらの活動の成果が、「スタッフの対応の良さ」でJリーグ1番を2年連続で獲得するという成果につながっています。

「また来たくなるスタジアムの雰囲気づくり」、「笑顔」で「おもてなし」、これらを目指して、
「目線は常に上のステージへ」でTeamVAMOSは活動を続けていっています。

 

松本山雅F.C.のファンだからできるボランティアと言ってしまえばそうかもしれませんが、ファンだからこそ各々のこだわりもあるでしょうし、それらを平面組織、適度な刺激などの工夫でマネジメントされている工夫は他のボランティア組織や企業にも応用できるものであるでしょう。

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