起業する理由、しない理由 シリーズ中小企業白書白書2014より(4)

潜在的起業希望者が起業を意識した理由、準備に移らない理由

■潜在的起業希望者が起業を意識した理由

全体的には、「働き口(収入)を得る必要」(31.2%)、「周囲の起業家の影響」(23.7%)、「現在の職場での先行き不安」(21.8%)が上位を占める。
否応なく起業しないといけない状況や、現在の勤め先への不安・待遇の悪化・資格の取得などは次の働き方として起業を選ぶ大きなきっかけになっていることがわかる。

これを女性、若者、シニアで特徴を見ると次のようになる。
女性は、「時間的余裕(介護や子育て等が一段落)」や「家庭環境の変化(結婚・離婚、出産等)」などの人生の節目が多い。
若者は、「周囲の起業家の影響」や「本やテレビ、インターネット等の影響」が多く、身の回りの環境に敏感に反応している。
シニアは、退職を期に起業を意識する者が多く、退職後の第二の人生、セカンドライフの選択肢の一つとしての起業を意識している。

第3-2-13図起業を意識したきっかけ

■潜在的起業希望者が起業の準備に踏み切らない理由

「収入、やりがい、プライベートの面で現状に満足している」(12.9%)、「事業失敗時のリスクを考えると、起業の準備に踏み出せない」(12.0%)、「起業後の収入に不安があり、起業の準備に踏み出せない」(11.6%)と、現状の生活に満足しており、リスクの高い起業には踏み出せないことが大きな理由になっている。

これは起業を意識した理由とは逆の理由であり、積極的にリスクを取る必要がないことが準備に踏み込まない原因である。
起業しても所得が低く(自営業主の所得は300万円未満が7割を占める)、潜在的起業希望者がイメージしているリスクに見合わないと考えているともとれる。

第3-2-19図起業の準備に踏み

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