障害者の就労・雇用促進フォーラム1

フォーラム

先週の3月13日、「障害者の就労・雇用促進フォーラム 個性を活かして働く」に参加してきました。

基調講演は「日本でいちばんたいせつにしたい会社」の著者である法政大学の坂本先生。
すっごい熱い話しっぷりで、出てくる企業さんの話を聞くと目柱が熱くなってしまった。涙腺が弱くなっただけではなく、障害者雇用に本当に真摯に取り組んでいる話が涙を誘うんだ。

坂本先生のおっしゃる「会社の目的」は、お金を稼ぐことでも、規模を拡大することでもなく、「そこで働いている社員を一生涯、幸せにすること」だそう。社内の社員だけではなく、協力会社や取引先なども「社外社員」として幸せにしていく。
景気動向で下請けを切ったり、無理なコストダウン要求をしたりするのは以ての外。自分たちの会社がやれないことやらないことを代わってやっていただいていると考えるべきだとも言われていました。まさに、「うんうん」と共感します。

基調講演の後は3つの分科会に分かれてのセッション。
「障害者を企業の確かな戦力に導く」(企業経営への影響)、「障害者の働く場の拡大を目指して」(農業への就労)、「精神障害者の豊かな能力を引き出す」の中から、「障害者を企業の確かな戦力に導く」に出ることにした。この不景気の中、障害者雇用がどのように企業に影響を及ぼすのかに興味があったからで、そこは中小企業診断士ですわ。

講師の秦(はた)先生はリクルートで長い間障害者雇用に携われていた方で、まさに企業側の立場でのお話でした。
まず外的環境の変化として、高齢化、少子化、それに伴う年金財源の減少や医療費の高騰、そして将来的な労働力不足があります。高度成長期は福祉の力で障害者を守ることができていましたが、もうそれはできない時代になっている。

企業が障害者を雇用したがらないのはなぜか?
不況でやとえない、障害者に任せる仕事がない、障害者を雇用した景観がない、障害者は戦力にならない・・・
このような誤解や偏見を多くの企業がいだいているのは現実。景気が回復すれば雇うのか?本当に障害者に任せる仕事はないのか?雇った経験がないといっていたらいつまでもできないままじゃない。
とはいえ、企業に「さぁ、やれ!」と無責任に言うことはできないわな。

2018年からは精神障害者の雇用が義務化され、障害者の雇用マーケットも変化してくる。
義務的に障害者を雇う企業からは、よりよい仕事環境を求めて障害者が転職して出ていく可能性も増してくる。でもこの状態って素晴らしいって思うけどなぁ。

なにも企業ばかりに責任がある訳ではない。
障害者側、障害者の親側も、自助努力が必要。
福祉への依存意識からの脱却、子供の力を信じる、幼児期からの訓練などで、障害者が”働くことが当たり前”にする家族の合意形成が必要になってくる。

(つづく)

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