[1004] 働き方革命~あなたが今日から日本を変える方法

日本人の働き方が問われています。

これまでもサラリーマンだけでは会社依存になり自分の人生を自分で自由にできくなるとか、副業・週末起業とか、何のために働くのか?とか、「働き方」に関する書籍は山のようにあります。

この本では、政府だけが働き方を議論するのではなく、当事者にわれわれ自身から働き方を変えていくことで日本を変えていこう!という主張です。

本著はNPO法人でがむしゃらに働いてきた著者が「働き方」を捉え直し、9時~6時の定時しか会社で働かないことを徹底し、仕事をスリム化することで著者自身に時間の使い方が有意義になり、周りも自然と変わっていったという実体験の話です。

会社で過ごす時間を決め、その制限時間内でいかにパフォーマンスを出すか?を突き詰めると、自分でないとできないこと、他者に振れること、優先順位などが明確になってきます。残業代が出ようが出まいが長く仕事をすることが美徳になっていては働き方革命など考えられません。

「働く」ということを「会社でお金をもらって仕事をする」ということではなく、「会社で働くと同じに自分を含めた社会のために働く」「傍を楽にする=はたらく」ともっと広くとらえるべきだと言います。

この主張には大賛成で、報酬もお金だけではなく、パラレルキャリアを積むことで人生が豊になれます。

ただ残念なのは、働き方を変えるために著者がやったことは、テレワーク、事務に通う、食材を宅配にするなど、お金があってできることが多く、そのところは共感できません。

考え方は正しいので、その具現化方法はひとそれぞれといったところでしょう。

現在政府が進めている働き方革命の3課題、①正規、非正規の不合理な処遇の差、②長時間労働、③単線型に日本のキャリアパス、に対して、同一労働同一賃金、テレワーク、女性・高齢者活用などが掲げられていますが、制度的なものばかりで「働き方」に関する「考え方」の変革は含まれていません。

マクロ的視点からだけでなく、自分ごととしてのミクロ的視点で考えることは、この本の著者同様に一番身近で大切なのではないでしょうか?

 

 

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