僕が生活する塩尻市は長野県でも有数のワインの産地です。
ワインと言えば国内では山梨県勝沼が有名ですが温暖化の影響で条件的には長野県の方がぶどう栽培には適地となってきています。
診断士とワインいうタイトルは、僕たち中小企業診断士が企業さまの経営診断する際に、外部環境、内部環境、財務状況、人的状況など総合的に分析して企業の課題を洗い出していくことと、ワインのテイスティングはとても似ていることからきています。
テイスティングというと「ブラインド・テイスティング」という、いわゆる”銘柄当て”のイメージを持つ方も多いかもしれませんが、基本的にはテイスティングの目的は銘柄当てゲームではありません。
テイスティングの流れとしては、
①外観
②香り
③味わい
④余韻・後味
⑤総合評価
となります。
まずは外観から清澄度、輝き、色調を観察し、香りもグラスに注がれ静止した状態、そしてグラスを回して確認します。
口に含んで舌の上でころがして味わいを口中で確認して、最後に口、鼻、のどで後味や余韻を感じます。
ですのでいきなり口に含むんでどうのこうのはしません。
企業診断でもいきなり財務諸表の数字だけで判断しないのと同じです。
テイスティングとは、ワインの過去(どこでどんなぶどうから作られたのか)、現在(どのような状態か)、そして未来(どのように発展していくのか)を知ることです。
ね、これって企業診断と同じだと思いませんか?
これまでの企業の生い立ちを知り、現在の経営状況を分析し、これからどう向かうのかを提案する。
診断士は、過去を語るのではなく未来を語ることが役割だと僕は思っています。「診断士は未来を語る仕事」、僕の診断士登録時の実務補習担当教官の井上先生の言葉です。この言葉が僕の診断士としての基本スタンスになっています。
テイスティングからも、同じようにこワインの未来を想像します。
ワインを学ぶことは診断士としても、その思考や理念にものすごく共通項があります。
本当に大切なことは直接的な勉強以外から学ぶ?悟る?ことってありませんか?
僕にはそれがワインかもしれません。
みなさんも、秋の夜長、ワインと語ってみませんか?
※この投稿は、中小企業診断協会コラムに執筆したものを加筆修正したものです。