ちえてらすコンサルティング

WORKSHIFT

”孤独と貧困から自由になる働き方の未来図”と副題にあるように未来の働き方について考察した書籍だ。
”働き方”という身近な話題ではあるが、これにはその人の生き方、価値観、社会環境などなど多様な内部要因、外部要因が絡んでくる。

長いデフレが続くわが国においても、非正規社員問題などを筆頭とする労働問題は山積みのままである。そんな中、NPO、NGO等で働く高額所得を目的としない働き方も台頭しはじめており、実に時流にあったテーマである。

ざっくりと要約すれば、
・自分の人生に関する選択権が企業から個人に移る
何を優先し何を何を諦めるのかの選択が重要になる
そのため、
・複数の専門性を持つ連続スペシャリストになり、自分の価値を高め、
協働でのイノベーションのために3つの人的ネットワークを持ち、
・情熱を傾けられる経験への価値の転換
が必要になってくる、と述べられている。

未来を形づくる5つの要因として以下があげれている。
①テクノロジーの進化
②グローバル化の進展
③人口構成の変化と長寿化
④社会の変化
⑤エネルギー・環境問題の深刻化

テクノロジーの進化によって、ネットから容易に過去の論文やデータが検索できるため、広く浅い知識は誰でも得られ、また、グローバル化により世界規模の人材市場が発生し、これまで以上に個人のスキル、能力の差別化が必要になる。
長寿化により、これまでの60歳までで終わりの仕事ではなく、70歳、80歳になっても元気で働いていけるように、なによりも好きな仕事に就くことが大事になってくる。その上で連続的にキャリアを上達させていく。
また、複数専門技能を持っていても協働でことにあたるためのコミュニケーション能力、人的ネットワークが必要になる。
家族形態も変化するため、バーチャルでの付き合いだけなく、実生活での対面の付き合いを意識的に作り出していかねばならない社会となる。

そこで重要になってくるのが、3つの人的ネットワークである。
①ポッセ:関心分野を共有する少数の専門家、ブレイン集団
②ビッグアイディア・クラウド:多様なアイディアの源
③自己再生のコミュニティ:安らぎと安心を与えてくれる現実世界の友人たち

会社と労働者の暗黙の契約”働くことで所得を得、消費することで幸せを感じる”が崩れてきている。
一定の所得を得られるのならば、それ以上の所得を得ることで幸福感は増加しない。
会社に自分の人生の選択をゆだねる代わりに一生涯の所得を保証してもらってた時代は終わった。
自分が主体的に多様な”働き方”を選択できる、選択しなければならい時代になっている。

その選択の自由を得たことは、これまで以上に、自分の市場価値や能力が評価されることになる。
しかし、独りでやっていく必要はなく、多様な人々との人的ネットワークを意識的に形成できれば、精神面でも豊かな生活がおくれるであろう。

僕自身、”働き方”をずっと考えてきてはいたが、”魅力的な専門技能のある人々と、チャレンジャブルな課題に立ち向かっていき、充実した経験をし、成長すること”だとあらためて認識できた。
そのために、新しい世界にチャレンジするにあたっては、本書の次のくだりから勇気をもらった。

頭で理屈を考えてから行動を変えるのではなく、まず行動を変えたことにより行動が変わる。
少しづつ新しい世界に触れ、新しい人間関係に接し、新しい役割を担うことを通じて、新しい専門技能と知識をはぐくんでいく。
どのような未来が可能かを実験し、考えるのではなく、行動することで脱皮を遂げる。

これから未来の働き方を考える上でいろんなことを示唆してくれる本と言える。


ワークシフト