これからの「新しい働き方」の本はいろいろ出ています。
それだけ悩みを抱えるサラリーマン(ナヤリーマン)が多いんでしょね。
僕がパラレルキャリアを意識した本は藤井孝一さんの「週末起業」でした。「雇われる」という働き方のリスクを提唱し、いきなり独立するのでなく週末を用いてビジネスに馴染んでいこうというものです。
この本は2003年出版ともうずいぶん古い本ですが、現代でも「雇われる」という働き方はより大きな課題になっています。
今回ご紹介するのは柳川範之さんの「40歳からの会社に頼らない働き方」。柳川範之さんは東京大学大学院経済学研究所の教授をやられており、働き方についての書籍をいくつも出されています。
この本で主張されていて、すごく共感できることは、
今の40歳は少し前の20歳と同じ立場、昔よりやれることは増えていて将来の可能性をもっと評価しよう
ということです。会社だけの価値観に染まった中高年に対して、もっと外を見よう、そこにあなたのスキルを生かす場がきっとあるとエールを送っています。
そのためには、これまでの会社だけの価値観を捨てて、「試行錯誤は当たり前」、「失敗前提」に頭を切り換えないといけません。
こういった考え方は、リーンスタートアップで言うところの、MVPやピボットでの市場の声を聞きながら軌道修正していくという考えと同じです。
この本の考え方で特徴的でかつなるほど!と感じたのは、
学問で体系づける
というものです。
中高年はこれまでの豊富な経験を持っている。しかし経験だけから得られた知識はばらばらで整理されていない。
経験からくる知識や能力を学問で体系づけることによって、抽象化できいろんな場面に応用できる武器になると。
体系化・抽象化はまさに大切で、人に説明する際にもポイントになってきます。
また、昨今は自分のスキルを使って好きな仕事をやろうという考えも多く叫ばれており、それはその通りなのですが、僕的にはちょっと独りよがりの思いがしています。そこにも柳川さんは言及されていて、自分の能力、スキルを磨くということが何かを3つあげられています。
・足りない部分を補う
・よりよい部分を伸ばす
・相手のニーズにあう形でカスタマイズする
3番目の”相手のニーズにあう形で”というところが僕が考えている自分のスキルと市場とのマッチングと一致します。
いくら自分にしかできないスキルがあろうが、市場がなければどうにもなりません。
独りよがりの思いではなく、市場を鑑みた自分のスキルの調整、カスタマイズにより、自分が生きる場を作っていくことは、いわゆるマーケティングです。
「週末起業」から10年、今の時代にこそ、会社に頼らない「働き方」として複線的な働き方を考える人が増えてきています。
スキルの棚卸や、新しいスキルの習得など、急にはできません。
2〜3年スパンでの計画となります。
だからといって何もしないことは一番のリスクです。
もし2〜3年後にリストラされるとわかっていたらどうするか?
昔は定年近くになって会社がない生活を考えて十分間に合ったのでしょうが、現在は違います。
複線的な働き方=パラレルキャリアを考えていきましょう。