4Pモデルから「SAVE」モデルへ

現代は製品だけで消費者ニーズを解決しよう、満たそうなんてかなり困難です。
iPhoneも持っていることの満足感は高いカッコイイ端末ですが、それに加えてiTunesストアでの豊富なアプリがあるからこそのiPhoneです。
しかしながら、多くの日本の製造業は「よいものを作ったら売れる」という呪縛に捕らわれたまま未だ製品中心のアプローチが多いのも事実です。
「わるいもの」は売れません。でも「よいもの」であっても売れません。みんなわかっているはずです。

有名なマーケティングの4Pモデル(Produc,Place,Pric,Promotion)というものがあります。製品、流通、価格、販促の4つの視点で捉える考え方です。

4Pモデルも製品を単独で考えられていた時代は極めて効果的な切り口ですが、今では顧客満足度を高めるためには製品+サービスの提供が中心になっており、4Pを超えるモデルとして5P(Peopleを追加)などもありますが、ここでご紹介したいのは、「SAVE」モデルというものです。

「SAVE」モデルとは、サンダーバード国際経営大学院大学院のRichard Ettenson教授らが考案したもので、Solution、Access、Value、Educationの頭文字をとって「SAVE」といっています。
save
①Product→Solutionへ
製品の特徴・機能から、製品がいかに満たす顧客ニーズを満たすかを重視する

②Place→Accessへ
個別の流通チャネルから、サービス提供全体の流れ(ライフサイクル)に着目する

③Price→Valueへ
単なるコストや価格から、価格と比較した場合の顧客が得るメリットを重視する

④Promotion→Educationへ
売るための販促から、顧客を巻き込みファン化するために顧客ニーズに応える情報提供を重視する

僕が特に注目したいのは、②Accessと④Educationです。

②Accessでは、顧客の購買時点だけでなく、買う前から買った後にいたるすべての期間に亘ってどのようなサービスを提供していくかを重視します。プレサービス、買えば終わりではなく、アフターサービス、アフターサポート、継続購入のきっかけ作りなどによって顧客生涯価値の向上を目指せるものと考えます。

④Educationでは、顧客に如何に情報を提供し、自社の製品やサービスのコンセプトや良さを伝えるか、どのように利用してもらえばより顧客価値が向上するかなどを伝えます。伝えるといっても一方的に情報提供するのでなく、顧客の意見を聞き、顧客の利用状況を研究します。それによって、顧客と一緒に学習し、顧客をより自社のサービスを上手く活用できるファンに育てていきます。

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