宮本武蔵、みなさんよ~く知ってますよね。
よ~くとはいっても佐々木小次郎と巌流島の決闘をしたところまででしょう。映画も小次郎を倒したところがクライマックスです。
でも武蔵が小次郎を倒したのはまだ30歳くらいの頃で武蔵が亡くなる60歳までの30年間はあまり光を浴びることはありません。
人を斬って斬って斬りまくったのが30歳まで、その後は書道や絵画などにもいそしみ、最後は自分の剣術をまとめた五輪書を書き記してこの世をさります。
その五輪書を書いたといわれるのが熊本の霊厳洞です。ずっと訪れたかったところ、ゴールデンウィークに帰省した際に訪れることができました。
熊本市内から車で1時間弱、曲がりくねった山道を進むと霊厳洞のある熊本県熊本市西区松尾町に着きます。
霊厳禅寺というお寺の裏手に霊厳堂はあります。かなりの山の中、霊厳堂までの小道のまわりはうっそうと茂った木々が広がります。
途中、五百羅漢が出迎えてくれ雰囲気を醸し出しますが武蔵時代にはまだこれは作られてなかったそうです。それでも苔むした五百羅漢たちを眺めると霊厳洞のあるこの地域が宗教的にも特別な場所であったことがうかがえます。
たどり着いた霊厳洞は切り立った岩肌にぽっかりと空いた穴になります。
なるほど神秘的、空気感が違います。穴に入りそこから下界を眺めるとやはり霊厳洞の中は外とは切り離された特別の場所であることを体感できます。
ここで武蔵が五輪書を書いたんだ、としばらく目を閉じて感覚を研ぎ澄ましました。
実践実戦の剣術の道を歩み、それらを書き記した五輪書。単なる剣術の書物というよりも、生きていくための考え方がちりばめられています。ビジネス的観点でもとても考え深い内容です。
霊厳洞はまだまだ観光地化しておらず訪れる人も少ない場所です。ゆっくりと武蔵最期の地を訪れることができて感慨深いものでした。