「働き方」に関する書籍はそれこそ星のようにでています。
アベノミクスで景気も持ち直し気味ですし、2020年の東京オリンピックに向けて意図的にでも政府は景気を盛り上げようとするはずです。
また、昨今の価値観の多様化から、大企業のサラリーマンだけが人生ではなく、自己実現の1つとしての”起業”も多くなってきています。
君の働き方に未来はあるか?
なんとも挑発的なタイトルですが、これまでの起業本と違い「労働法」という法律面から働き方を語っていることがユニークです。
そもそも「雇われて働く」=「雇用」とは古くはローマ時代の奴隷制と本質的には同じことであるといいます。
「雇傭」とは他人の指示にしたがって働くことに対して報酬をもらうことで、日本の正社員は自分の労働力を企業にゆだねて、「いつでも」・「どこでも」・「何でも」従うことになります。
これに対して、「請負」=「独立して働く」ことは、「いつでも」・「どこでも」・「何でも」という従属性がなく、自由ですが、全てを自分で賄わないといけません。
「いつでも」・「どこでも」・「何でも」従うというデメリットの代わりに、安定的な給与とか企業からの教育などののメリットが受けられ、これまでのメリットがデメリットを上回っていたので、正社員になるという選択をする人がたくさんいました。
しかも、「労働法」によって、労働者の権利が守られ、奴隷とは全く違った条件で働くことができていました。
しかし、非正規社員の問題やそもそも企業が正社員をたくさんは必要としない時代に入ってきている現在、正社員といえどもその恩恵を十分に享受できない時代になってきています。
「雇われて働く」にしても転職力を付けた”プロ”にならないと、企業から「いつでも」・「どこでも」・「何でも」いいように使われてしまいます。
また、独立して自分で稼ぐといった方法も視野にいれて、これからの働き方を考えていかないといけません。
最後に著者が後書きに書いていた言葉が印象的でした。
プロの仕事をするためには、多くのプロにささえてもらわなければなりません。
そうです、自分がプロでも何でも全部はできません。たくさんの周囲の助けがあっていい仕事ができるものです。