「BusinessModelGeneration」のベースになっているのが、ミンツバーグの「戦略クラフティング」ではないかと思います。
5年前のハーバードビジネスレビューを引っ張り出してあらためて読み直しました。
戦略論には様々なものがありますが、基本的には「戦略は計画されるもの」、「意図的に計画された戦略」であるというものです。
しかしながら、変化が少ない時代でさえ計画された戦略を粛々と遂行して成果が出たというものは少なく、特に状況の変化が急な現在はでは、この計画→実行というシーケンシャルな流れでは成功しにくいものです。
そこでミンツバークは、「戦略は状況の変化に応じて次第に自己形成される」ととらえたほうが自然だと説きました。
”自己形成”とは、計画→実行のように思考が先行し行為が後というのでなく、思考しながら行為も行うというものです。
クラフティング(創発)とは、工芸家が土をこねながら頭で考え指で感じ取りながらやっていくという例えで、戦略も状況を学習しながら対応していき、結果的に後から見ると戦略だった、というケースも多いのが現状であると。
戦略を策定するのは、プランニングの足とクラフティング(創発)の2本の足であり、
プランニングは学習を排除するが、クラフティングは統制を排除する。この2つのどちらか一方に偏らず中間でやっていくことが戦略策定のいいやりかたである。
そういえば、以前、ホンダの方と一緒に研究会をやったときに面白いことを言われてました。
「理屈は後から宅急便」
上手くいったから、理屈は後で付いてくると。これも振り返ればあのときはあぁゆう戦略でやってたんだってことでしょうか。
変化が読めない現代は、「意図的に計画された戦略」よりも学習する組織をベースにした「創発戦略」の重要性が増していることは間違いないでしょう。学習する組織は知識経営にも通じるものです。