戦略的気くばり

長時間労働問題で厳しい状況ではある電通ですが、世界最大級の広告代理店であることには変わりはありません。

今年1冊目に読んだ本がこの、電通マン36人に教わった36通りの「鬼」気くばり、です。

著者はバブル世代には懐かしいホイチョイ・プロダクションズ。ですから、そんなカタッ苦しい内容ではありません。1時間もあれば軽く読了できる本ですが、内容はあらためてそうだよね、と思うところも多かったです。

この本の冒頭でも、「何で格差社会を勝ち抜かなきゃならないの?人並みの収入があればそれで十分じゃない」と考える人はこの本を読まなくてもいい、と断言しています。また、「気くばり」といっても相手を思いやる心構えとかではなく、具体的な方策を述べているとも書いています。半分冗談にしろ、この姿勢は潔いと感じます。

長時間労働やパワハラなどの現代の労働問題は個人の問題ではなく、組織体としての企業の体質、問題ではあります。それには対処しないといけません。しかし、仕事は自分が中心で自分のペースではやれません、相手があっての仕事です。そこで自分の体調とか用事だとかを優先させていては仕事にならないことも現実です。この本は、もっとやれる人、もっと上にいきたい人向け=「健全な野心家」と表現していますが、の本です。

36の気くばりの中で僕がこれは!と思ったのは、

1.安物の同じボールペンを必ず2本持ち歩く。
7.どうでもいい小さな仕事ほどすぐ片付ける。
8.3日後に100%の答えを出すより、翌日60%の答えを出す。
24.服は自分のために着るものではない、得意先のために着るもの。

などです。詳細な内容は本書を読んでもらってのことにしますが、7の「どうでもいい小さな仕事ほどすぐ片付ける。」と8の「3日後に100%の答えを出すより、翌日60%の答えを出す。」は仕事のできる人に共通のことだと思います。

何から手を付けていいかわからない時に、どれから取りかかろうかぐだぐだ悩むよりも、すぐに終わる仕事からまずは片付けて総量を減らすことは大事です。半歩ずつでも片付けていけばまた新しいひらめきが出てきます。

100%を求めない、6割でいいから進めながら完成していくことも、スピード重視の現代では大切ですね。

バブル世代の僕らだからすんなり同感できる内容かもしれませんが、いやいや、考えさせられるものがありました。

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