東京都内のワイナリーは、
自社畑を持たずに契約農家からブドウを仕入れて、
都内の自社醸造所でワインを造っているスタイルで、
栽培から収穫、醸造まで一貫して行う「ドメーヌ」とは
また違ったワイン造りで面白いと感じました。
さらにこの書籍の著者がやっているのは、
ぶどう畑も醸造所もないワインメーカー、いったい何??って思いました。
本を読むと詳細に書かれていますが、
カリフォルニアのブドウ農家、醸造家と協力してワインを造っている。
どんなワインを造るのかを伝える「コンセプター」とのこと。
もちろん、ブドウ農家、醸造家との深い絆があってのことです。
ワインの世界では珍重される「シングル・ビンヤード(単一畑)」ではなく、
いくつのもブドウ品種やいくつもの畑から採れるブドウをブレンドして造る「アッセンブラージュ(ブレンド)」のワイン。
ブレンドした方が毎年安定した品質のワインが造れますが、
そうではない毎年違う品質、個性というのがワインの魅力でもあります。
「ドメーヌ」「シングル・ビンヤード」、ワイン界に大きく君臨するこの2つの価値観とは違ったワイン造りには、驚かせられました。
ワイン会の開催指針も、
・ワインは脇役、主役はみなさん
・「美味しいワインを飲む」ではなく、「ワインを美味しく飲む」
です。
この考えも頭でっかちになりがちな自分への戒めにもなります。
僕のワイン会もこの方針で行きたいなぁと思いました。
東京都内の畑をもたないネゴシアン醸造所も面白かったですが、
さらに醸造所も持たないコンセプターは、もっと面白い可能性を感じました。