2018年前期ブラインド・テイスティング・セミナー最終回の講師は田崎真也会長でした。今回は一人づつフルコメントを2分くらいで話して下さいというもの、外観→香り→味わい→品種・ビンテージ・生産国を話していきます。これには参加者全員緊張しました。
当然僕の番も回ってきてテイスティングコメントを話すのですが、品種の特徴を言い表していない、表現がネガティブ、語彙が少ないと指摘を受けました。ごもっともです。
田崎会長からは、
・テイスティングにはフォームがあるのでそれを守ること
・感じたことが何からくるのかその要因も話すこと
・最終的な品種とそれまでのプロセスの整合性がとれていること
などを強調して話されていました。論理的思考だと思います。
最後に質問の時間があって疑問に思っていたことをたずねました。
「香りの表現で、いろいろたくさんの香りを表現されるのですが、結局それで何なの?と思ってしまいます。だいたい何個くらい言えばいいのですか?」
カシスなどの黒系果実の香り、すみれや野バラ、ヨード香、バニラの香りも感じます、イチゴのコンフォートなども感じます・・・などなどいくつもいくつも表現されるのですが、最終的には品種は外れていて、いったいそれで何が言いたかったのかがわかりませんでした。
田崎会長からはこういう答えでした。
「テイスティングは主観的なものです。数が多ければいいってことではありませんが、感じたものをそのまま直接表現すればいいです。数が多いのはこれは言わなければいけないものだとパターン的にやってしまうこと。感じ取ってもいないのに言う必要はありません。逆に数が少なくてもそのワインの特徴を言い得てていればいいのです。」
「語彙を増やすということは、外国語で単語を覚えるのといっしょ。いろんな表現ができるようになるため」
テイスティングはパターン化することも確かに大切です。しかし、だからといって感じてもいないことを言う必要はありません。さらに、感じ方の強い・弱いがないのことも聞いてる方がわからなくなる要因とも思いました。語彙については、単なる柑橘系の香りではなく、レモンなのかグレープフルーツなのかライムなのか?表現の幅を広げるためにも語彙は大切なんだと。
聞いてみれば当たり前のことなのですが、なんとなくテイスティングの捉え方が腑に落ちた気がしました。
前期6回が終わってもまだまだ全然ですが、参加していなかったらこの気づきはありません。これらのことはワインのテイスティングに留まらず、企業の経営分析をすることにも通じます。財務指標が何をあわらしているのか?とかです。
アウェー感満載のテイスティング・セミナー、後期も楽しみたいと思います。