シリコンバレー流起業手法「リーンスタートアップ」セミナー

リーンスタートアップ3月17日、松本市にあるコ・ワーキングスペースKnower(s)で開催された”シリコンバレー流起業手法「リーンスタートアップ」セミナー”に参加してきました。

http://knowers.doorkeeper.jp/events/9157

「リーンスタートアップ」は一昨年発刊されたときにすぐに購入して読んだけど、専門的に出てくるMVP、ピボットなどの概念が今ひとつわからないままで終わって、結局何が言いたいの?ってわからずじまい。でも何かすごく使える!って臭いは感じていたので、今回のセミナーにピ〜んときた訳。

講師は、リーンスタータップジャパンの和波さん。リーンスタータップジャパンのWebはチェックしていたので期待大でした。
結論から言うと、これまでもやもやしてたものがすっかり晴れて大満足。
「あぁおういう意味かぁ」
「そう考えるんだ!」、
本を読むのと実際にお話をお聞きするのとでは理解度が全然違いますね。みなさんも気になるセミナーは行った方がいいと思うよ。

リーンスタートアップは何も目新しいものではなく、PDCAをきちんと回せってことなんだ。
従来のPDCAは品質向上のために行われてたけど、多様性・不確実な現在は”事業価値の発見と向上”のためにPDCAを回すんだということ。
何が当たるかわからないので、最初から完成品を作る必要はない。
アイディアやプロトタイプなどの検証するのに最低限必要な機能をもった製品やサービス(MVP:Minimum Viable Product)を何度もリリースして何回もマーケットの声を聞きながら修正(ピボット)を繰り返していく、これがリーンスタートアップだと、理解できた。

早く失敗する、早く修正点を発見する、そのためには最終製品を作る必要はないってこと。

日本企業の稟議システムでのハンコリレー(何人のハンコがいるの!)では、時間もかかるし、一旦決済がおりると途中で修正がきかず、最後までやりきって初めて失敗に気づくってことあるよね。最初から上手く行かないってわかってて進んでるプロジェクトって思い当たるでしょ?
こういったやり方は、そもそも新規事業開発には不適合であって、「約束された失敗」って言います。
みんな一生懸命やっているのに、確実に失敗する。
笑えない話だよね。

となると、市場の声を聞いて修正するためには、どのような実験が必要か、効果的なのかのデザインが重要になってくる。
大胆に言えば、最初のアイディアなんて成功には関係ない。いかに市場に受け入れられるようにアイディアを修正していくかがキモ。

僕は中小企業診断士として、新規事業開発を支援する際にビジネスフレームワークを使ってSWOT分析や市場細分化分析とかやってるけど、これは単なる思いつきや情熱だけで突っ走らせたくないから。
でもフレームワークを使った固定的な一方通行のウォーターホール型のやり方だとリスクが高いなぁって感じてる。
このリーンスタートアップの手法を用いることで事業開発の成功確率を上げれそうって思う。

講師の和波さんは、「日本で起業家を増やそうとしてもなかなか増えない。起業家を増やすよりも、一人の起業家の起業数を増やすことで、日本を活性化できるのではないか」と言われていました。

長年サラリーマンをやっている人にとって起業は夢みたいな話でもあるし、怖いよね。
でもリーンスタートアップの手法で小さな実験を繰り返しながら起業を体験し具現化していければ案外可能かもしれない。

パラレルキャリアを増やすための”仕事移行支援”に、リーンスタートアップ手法は生かせると思う。有名な「週末企業」だって会社に勤めながら低リスクで小さく商売を試していくやり方なので、まさにリーンスタートアップだよなぁって思う。
僕自身も”リーンな”診断士を目指します!

講師の和波さんが言われてた、
「何も考えていないと、ただの労働者になってしまう。将来何をやるかを人にゆだねてはいけない。そうしないと自分が望む人生を生きられない」は、起業する人にとって勇気を与えられる言葉だった。

リーンスタートアップはなにも“シリコンバレー流”では無く、古くからの“日本流”の”カイゼン”手法なんだって腑に落ちたセミナーでした。

話題代わって、会場のKnower(s)。
久しぶりのKnower(s)は、リニューアルしてスタッフも新しい顔でした。
セミナー後のネットワーキングタイムで参加者のみなさんと名刺交換やいろいろお話しができてつながれたことはいいですね。
人の輪が広がっていく拠点としてのKnower(s)、僕が主活動しているえんぱーくともつないでいきたいな。

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